「ほっ」と。キャンペーン

タグ:試合レビュー ( 20 ) タグの人気記事

ここ数年、取り付く島のないほどの強さを見せていたバルサに、ほころびが見え始めてきた。そんなバルサを巧く攻略したクラブが2つある。セルタとレバークーゼンだ。
この2つのクラブが用いたのは、スペースを消し、プレスをかけ、ボールを奪ったら、布陣ごと攻め上がること。まるでクロップ監督時代のドルトムントの様な、鮮やかなゲーゲンプレスだ。

しかもこれは、中盤の構成力がやや落ちている今季のバルサには、物理的機能にはもちろん、メンタルにも効果覿面であった。中盤の支配権を奪われたバルサは、戦う気力を落としていく。セルタ戦で大量失点したのも、セルタの戦術がバルサのメンタル面に作用したのではないかと思われる。

だが、レバークーゼンについては、攻略は出来たものの、結果には繋がらなかった。バルサは、80分まではセルタ戦とほぼ同じくメンタルをやられていたが、83分にセルジ・ロベルトがゴールを押しこ
んでから、メンタルを回復し始めた。
最後はスアレスの力技で、バルサがたった10分で試合をものにしてしまった。

これらを踏まえると、バルサ攻略のカギは、機能的に封じることも必要だが、それ以上に、個の力で打開させないほどに、メンタル面を封じることも必要になるのであろう。

今後、どのクラブが、またはマドリーがクラシコにおいて、どうバルサを攻略するのか、怪我で離脱しているメッシの代わりに右に入っているムニールやセルジ・ロベルトといった、バルサの新鋭のプレーと共に注目である。


[PR]
by kobo_natsu | 2015-09-30 09:09 | チーム
☆ ウクライナ×フランス   0-2

後8分:メネズ(FW・フランス、パリ・サンジェルマン)
後11分:キャバイェ(MF・フランス、ニューキャッスル)

得点シーン以外はそれほど見所の無い試合だった。
この日のシステムは4-2-3-1で、DFラインは左サイドバックをエブラ(DF・マンチェスター・ユナイテッド)に替えてクリシー(DF・マンチェスター・シティ)以外の変更はなく、中盤の底にキャバイェ、アルー・ディアラ(MF・オリンピック・マルセイユ)、2列目に右からメネズ、ナスリ(MF・マンチェスター・シティ)、リベリ(MF・バイエルン・ミュンヘン)、1トップにベンゼマ(FW・レアル・マドリッド)という布陣だったが、リベリ、メネズの攻め上がりの甲斐なく、前半はゴールを得られなかった。課題の守備については、アルー・ディアラが相手の攻撃の芽をよく摘み、両サイドのクリシー、ドビュッシーもケアに回っていたため、従前に比して安定していたように見えた。

攻撃については、パスが繋がらない、簡単なシュートを外すなど、未だ連携の悪さを見せた。その要因は、ベンゼマの不調に思われた。ベンゼマはメネズ、キャバイェのゴールをアシストしたため、データ上は役目を果たしたように見えるが、それ以外の時間帯は、ナスリ、リベリ、メネズから出るパスを受けられるポジショニングが出来ず、また自らのパスにも迷いがあるように見受けられた。ベンゼマは、とことんハートが弱いのだろうか。まるで相手DFにカットされるのを恐れるが如く、パス出しが慎重になり、それが前線の停滞を生んだように見えた。
前線の流動性を得るためには、ベンゼマのゲームメークが必要になる。テストマッチでは、トップ下のナスリとスペースを分け合いながら華麗にパスを交換し合う姿に安堵していたが、今のベンゼマはそうも行かないようだ。思い切ってベンゼマをトップ下にする、もしくは覚悟を決めてベンゼマを外し、トップ下のナスリを維持し、ジルー(FW・モンペリエ)をトップに持ってくるという方法もある。
今やチームの顔となったベンゼマを外す事は考えにくいので、スウェーデン戦ではベンゼマの覚醒に期待したい。

途中交代で入ったマルタン(MF・ソショー)、エムビラ(MF・スタッドドレンヌ)ジルー、については、マルタンは出来ればキャバイェと併用して欲しかった。彼らは似た素養を持つ選手であるが、スペインのチャビ(MF・バルセロナ)、シャビ・アロンソ(MF・レアル・マドリッド)とタイプは違えど、相乗効果を生む組み合わせではないかと思っている。
またエムビラについては、この試合のアルー・ディアラの貢献度を考えると、彼からスタメンを奪うに等しいとは言いがたい。エムビラは元々守備専門のピボーテではない上に、ここ1年ほどのレブルーの試合では、それほどの成果を上げていないからだ。
ジルーについては、リベリ、ドビュッシーのラストパスを受ける機会もあったが、それほど見せ場を作る事は出来なかった。しかし、親善試合でのリベリやドビュッシーとの相性の良さを鑑みると、もう少し出場時間が長ければ、結果を出す事も可能であろう。
グループリーグ突破のかかったスウェーデン戦では、後が無いため、勝ちにこだわる試合でも認容する。しかしながら、ベンゼマの覚醒による、華麗な前線のパスワークが見られる事はわずかに期待したい。
[PR]
☆フランス×イングランド 1-1

前30分:レスコット(DF・イングランド、マンチェスター・シティ)
前39分:ナスリ(MF・フランス、マンチェスター・シティ)

重すぎる期待を背負い、ブラン体制の本選初陣は、かなりシリアスなものとなった。初めてに等しい大舞台で若い選手たちの足は、ぬかるみにでもはまったかのように動かなかった。

足りなかったものはたくさんある。右サイドバックのドビュッシー(DF・リール・メトロポール)のクロスに反応できるタイプの選手がいない、キャバイェ(MF・ニューキャッスル)のパスは、ラインの押し上げのない間延びした中盤を空しく通り抜ける。今回のイングランドのように、苦しいくらいに守りを固めてくる相手には、4-3-3ではなく、4-2-3-1で臨むべきであったのではないかと思われる。
この試合では、どこかのタイミングでシステムを変更する方が無難であっただろう。4-2-3-1にすることにより、ドビュッシーのクロスに反応できるトップが出来、トップ下の選手が中盤を埋めることにより、比較的コンパクトな布陣をキープできただろう。ブランが4-3-3を選択した理由は理解する。おそらく、頼りないDFを補完すべく、アンカーを置きたかったのだろう。しかし、ほとんど攻めてこないイングランドに対しては、それはあまり意味をなさなかったように思われる。具体的には、中盤のピボーテのマルーダ(MF・チェルシー)を外し、ベンゼマ(FW・レアル・マドリッド)をトップ下に下げ、ジルー(FW・モンペリエ)を1トップに据えるのが妥当と思われる。
しかしながら、4-3-3でもやりようはあったと思われる。実際テストマッチでは、守りを固めてくる相手に対し、トリデンテの流動性で崩して成功する例もあった。つまり、敵は内にあったのだろう。本選のプレッシャーに負けたのだ。

次の試合のウクライナはバランスの取れた良いチームと理解している。緒戦で祖国を勝利に導いたシェフチェンコ(FW・ディナモ・キエフ)のケアは必要だが、ゴールを奪うためには4-2-3-1で臨む方が良いように思われる。4-3-3で役割が不明確になったマルーダが余り、攻撃の手数が減る状態は避けたいからだ。4-3-3というのは、例えばスペインやドイツのように強力なアタッカーのいるチームに有効なシステムなのであろう。
開催国、そして英雄の活躍により、追い風を受けるウクライナを相手に、厳しい立場に立たされているフランスであるが、本来の魅力的なサッカーを見せてくれることを期待したい。
[PR]
マドリーがなぜ、またバルサに勝てなかったのかについては既に言い尽くされているだろうし、誰が戦犯かを追及することには個人的に興味がないので、珍しくクラシコの舞台に3人も揃ったレブルー戦士のプレーについての所感を書いてみようかと思います。

カリム・ベンゼマさん(23)   職業:レアルマドリードFW

私見ですが、この日のベンゼマは素晴らしかったと思いました。ゴールを決めたのはもちろんですが、パス出しや動き出しにより、前線の攻撃をよくコントロールしていました。視野の広さを感じさせるパスや、敵だけでなく味方さえも目が覚めるような、数々の攻撃のアイデアが光りました。
他の方も仰っていましたが、その姿は1つの軍隊を率いる将軍のように見えました。彼の長短や強弱を使い分けたパスが攻撃にリズムを生み、正確で柔らかいトラップが、相手の嫌な位置からの攻撃の組み立てを可能にしていたように見えました。
欲を言えば、彼の動きに呼応できる選手(私見ではエジルとグラネロ)がいれば、ベンゼマを中心とする大きな白いストームがバルサを飲み込むような攻撃が展開されていたかもしれません。ちょっと褒めすぎですかね。貴重な相方の一人であるエジルは、この日中盤に配置された選手の素養が攻撃的であったため、守備の負担を負わざるを得ないようにみえました。そのため、エジルが守備の負担を負うことなく、本来の力を発揮できていたならば、ベンゼマの司る攻撃はさらに功を奏したのものと思っています。

ラサナ・ディアラさん(26)   職業:レアルマドリード守備的MF

ラスも、この日は自分の仕事を忠実にこなしていました。相手を傷つけないきれいなボールスイープは、自身の熱望する代表復帰のためのブランへのアピールになったでしょう。この日の中盤のパートナーは、シャビ・アロンソとディマリアでした。個人的には、バルサの中盤を抑えるには、やや攻撃的素養が高すぎたのではと思いました。そのため、一人守備の専業としてバルサを抑えていたラスを下げるという判断はやや不可解でしたが、ラスは既にイエローカードを一枚もらっており、さらにもう一枚もらって退場となってしまうことを避けるためではという他の方のご意見を聞き、やむを得ない交代であったのかもしれないと思い直しました。
ラスの負担を避けるためにも、もう一人の相方は、守備と攻撃を半々で出来る選手(希望はグラネロだが、ベンチのメンバーの中でならケディラ)の方が良かったのではと思いました。ただ、ケディラ自身がそもそも良い出来ではなかったということには異論ありません。この中盤の構成については、何が最適だったのか、コメントが難しいところです。

エリック・アビダルさん(32)   職業:FCバルセロナDF(センターとサイドを兼任)

この日3人の中で一番出来が良くなかったのは、アビダルのように見えました。攻め込んでくるマドリーの前線に対するチェックは遅く、足がもつれそうになりながら追いかけているようにも見えました。昨シーズン大病から復帰した直後は神々しいくらいの鉄壁ぶりを発揮しておりましたが、ここ数ヶ月はなんとなく調子を落としているようにも見えます。センターとサイドを兼任というなかなかの多忙ぶりであるため、切り替えが上手くいかなかったのでしょうか。EUROまでには少し前の神々しさを取り戻してください。

以上、ざーっと好き勝手に書いてみましたが。悔しさはじわじわとこみ上げてきますが、これを春まで抱えるのは辛いところです。
これから続く数々の試合で、少しでもわくわくするような、希望を感じさせるような試合が観れたらと思います。
[PR]
☆ フランス×アメリカ   1−0
後27分:レミ(FW・オリンピック・マルセイユ)

スタメン

GK:ロリス
DF:ドビュッシー(リール・メトロポール)
   ラミ(バレンシア)
   コシェルニー(アーセナル)
   マチュー(バレンシア)
MF:エムビラ(スタットドレンヌ)⇄ ゴナロン(MF・オリンピック・リヨン)
   アルー・ディアラ(パリ・サンジェルマン)
   メネズ(パリ・サンジェルマン)
   リベリ(バイエルン・ミュンヘン)⇄ レミ(FW・オリンピック・マルセイユ)
FW:ガメイロ(パリ・サンジェルマン)⇄ ジルー(FW・モンペリエ)
   ベンゼマ(レアル・マドリード)⇄ マルタン(MF・ソショー)

4-4-2 中盤四角 交替後は4-2-3-1

ほぼベストメンバーがそろっているにもかかわらず、4-4-2という試験的ともとれる布陣で挑んだ試合でしたが、あまり機能しませんでした。サイドアタックやベンゼマがゴールからやや遠い位置からボールを持ちゲームを作るなど、いい形はいくつか見られましたが、きっちり守備を敷いてきたアメリカを、完全に崩すまでには至りませんでした。
後半、メンバーを大幅に入れ替えて、布陣もいつもの4-2-3-1に戻しましたが、こちらもあまり機能はせず。レミがゴールを決めましたが、これはレミの右サイドの自力突破からのゴールという、個人技に頼ったものでした。

4-4-2中盤四角と4-2-3-1をどう使い分けるか。
まず、4-4-2中盤四角は、どちらかというとサイドアタックをかけたいときに選択する布陣と理解していますが、中盤の構成力で負けてしまう相手にはこちらを採用するといいのかもしれません。
その場合、今回のように中盤の底をエムビラ、アルー・ディアラとボールをキープするタイプではない二人を並べるのであれば、トップの二人のいずれかは、ジルーのようなセンタリングに反応出来る選手にすべきだったのでしょう。ベンゼマとガメイロのように、ゴールから少し離れた場所からボールを持ち、攻め上がりたいタイプはいずれか一人でいいということになります。
しかし、中盤の底にアルー・ディアラではなく、ボールをキープしてパスを出せるキャバイェ(MF・ニューキャッスル)やマルタンのようなタイプを置けば、中央から前へボールが出ることが期待出来るため、ベンゼマ、ガメイロを並べても良いのではないでしょうか。
中央から前への連携が成熟すれば、レブルーの前線も華麗なファンタスティックフォー(2トップとと両サイドハーフ)によるフォーメーションが見られるでしょう、おそらく。

一方の4-2-3-1は、ある程度中盤の支配権が得られる相手に使うべきなのかもしれません。
4-2-3-1の場合は中盤の底のボールは、一旦「3」の真ん中(この試合の場合はマルタン)に預けられることが多くなります。この場合はこの真ん中の選手が横の二人と1トップを巧みに操ってくれる、もしくはこのパス出しの選手に周りが合わせられることが必要になります。
この試合では、まずますの連携は見せていましたが、かっちりはまるまでには至りませんでした。

ここまで好き勝手に書いてきましたが、乱暴にまとめてみれば、いずれの布陣もとにかく連携の成熟が必要ということにつきるのかもしれません。
長い目で、暖かく見守りましょう。見守りたいと思います。

個人的にはベンゼマーガメイロの2トップは、中盤の底の構成をボールを保持出来る形に変えて、継続していただきたいと思っております。お願いします。
[PR]
☆ フランス×アルバニア   3-0
前11分:マルーダ(MF・フランス、チェルシー)
前38分:レミ(FW・フランス、オリンピック・マルセイユ)
後21分:レベイエール(DF・フランス、オリンピック・リヨン)

スタメン

GK:ロリス(オリンピック・リヨン)
DF:ドビュッシー(リール・メトロポール)
   ラミ(バレンシア)
   カブール(トットナム・ホットスパー)
   エブラ(マンチェスター・ユナイテッド)⇔後1分:レベイエール(オリンピック・マルセイユ)
MF:エムビラ(レンヌ)
   キャバイェ(ニューキャッスル)⇔後2分:マルタン(ソショー)
   ナスリ(マンチェスター・シティ)
   マルーダ(チェルシー)
FW:レミ(オリンピック・マルセイユ)
   ゴミス(オリンピック・リヨン)⇔後35分:シセ(ラツィオ)

4-4-2 中盤正方形

ベンゼマ(FW・レアル・マドリッド)、リベリ(FW・バイエルン・ミュンヘン)、マテュイディ(MF・パリ・サンジェルマン)、サーニャ(DF・アーセナル)、アビダル(DF・バルセロナ)と、これまでスタメン出場していた選手を根こそぎ欠いてしまったレブルーは、システムを大幅に変更。4-4-2というオーソドックスなスタイルで試合に臨んだ。

中盤について課題のあったレブルーは、いかに中盤を支配し、自分たちのものにできるかがポイントであったと思われるが、この試合では、選手を換えるのではなく、選手の役割分担を明確にするという意識改革でこの課題に臨んだようだった。

この「意識改革」は効を奏し、中盤の底のキャバイエ、エムビラはそれぞれに攻守を半分ずつ分担していた。それまでの3ピボーテでは、エムビラは守備よりも前線の攻撃に加勢する役割を担うことに重きを置かれていたが、この日は2ピボーテであったため、自分のエリアを離れることなく粛々と守備をこなしていた。攻撃については、今までのように前線のスペースに飛び出すのではなく、回収したボールを前線に送る、パス出しの形で担っていた。パス出しは、相方であるキャバイェの「本業」であるため、役割が被ることが懸念されたが、二人が前線にパスを出すことにより、中盤から前線へのボールの供給回数が増え、不規則に出されるボールは相手の守備陣を悩ませるのにちょうど良かった。
エムビラの守備比率が高まったことにより、バックラインが安定し、ドビュッシー、エブラ(交代してからはレベイエール)のサイドアタックも効いていた。

キャバイェの本業は、中盤の底ではないと理解している。そのため、ここでのキャバイェの役割は、相手から積極的にボールを奪う「能動的守備」というよりは、得たボールを取られない様にする、「受動的な守備」であるっようにみえる。しかし、この「受動的な守備」によりタメをつくり、攻撃のリズムが単調になることを防いでいるように思われた。

またタメをつくることは、相手が自陣に引きこもり、網の目のような守備を敷いているときにも有効であった。
2列目でタメを作ったナスリは、ボールをキープし、時間を稼ぐ。その間にレミ、ゴミスはパスを通せるわずかなスペースを見つけ、ナスリにパスを要求した。これが生かされたのが、ナスリがアシストした2点目のレミのゴールであった。キャバイェは、前半終了近くの負傷により、後半はマルタンに交代したが、マルタンもまた、キャバイェの役割を十分にこなしていた。

この日、ポジショニングが良いにもかかわらずゴールに恵まれなかったゴミスは、後半終了10分前にブランの元では初めて代表に召集されたシセと交代。シセがピッチに現れたとき、この日一番の歓声が上がった。
シセはベテランらしい老練なボール捌きで前線をコントロールしていた。相手の守備をかいくぐり、スペースを見つけた選手に的確にパスを出しながらも、自らのゴールへの渇望も示す。

先述の様に、中盤とバックラインの守備が安定したことにより、この日はサイドアタックも冴えていた。代表初招集で初スタメン、フル出場を果たした右サイドバックのドビュッシーは、果敢にサイドを攻め上がり、レブルーの厚みのある攻撃を演出し、代表でこの位置をキープしているサーニャに遜色のない働きをしていた。

試合は3-0でレブルーが勝利をおさめ首位をキープしたが、勝ち点1差で2位につけているボスニア・ヘルツェゴビナもルクセンブルクに勝ったため、11日の直接対決により、EUROの出場が決定することになった。
この試合は、華やかさにやや欠けるものの、堅実で攻守のバランスの良い、好ゲームであった。ボスニアは、同じグループの中で一番手ごわいライバルではあるものの、この試合のように自分達のサッカーをすれば、勝利を手にすることは難しいことではないだろう。左ひざの炎症で欠場したガメイロ(FW・パリ・サンジェルマン)の復帰の可能性もあるというのも好材料である。
出場が決まるのは引き分け以上であるが、見事勝利で出場を決めることを期待している。
[PR]
☆ ルーマニア×フランス 0-0

もう、1週間近く前の試合ですが、EURO予選ルーマニア×フランスは正直つまらない試合でした。
ルーマニアによく抑え込まれてた、という意味で、ルーマニアを讃えるべきなのでしょうが、それ以前に、フランスが良くなかった。
芝の状態が悪く、ピッチに足を取られることが多かった、とか、過密スケジュールと長い移動時間で疲労がたまっていた、とか言い訳はいろいろあるのでしょうが、それを差し引いても良くなかった。

この日はシステムを4-3-3に変更。中盤の底には、アンカーにキャバイェ(MF・ニューキャッスル)、右エムビラ(MF・レンヌ)、左マルタン(MF・ソショー)とこれまでにない顔ぶれでした。
アンカーにキャバイェなんて、キャバイェの無駄遣いではと思ったのですが、意外にもキャバイェのボールキープ、パス出しが良く機能し、守備から開放されたエムビラは生き生きしていました。マルタンの方は逆に守備的となり、彼の持ち味はいま一つ出ていなかったように見えました。

中盤でボールが回るようになったものの、供給先の前線があまり機能せず、なかなかいい攻撃の形が作れずに、タイムアップ。

最前線のベンゼマは、下がってボール回しに加わるなど、自身の身体のキレの良さはアピールできましたが、シュートを打つ機会はあまり作れず、おそらく消化不良だったのではないでしょうか。アルバニア戦ではやや機能していたサイドアタックも、この日は不発。逆にルーマニアにやり込められる場面も多く見受けられました。

ゴールが奪えなかった原因はなんだろう。
ボールがキープできないという課題はとりあえず、キャバイェによって解消されたように見えたので、あとは前線との連携になるのでしょうか。エムビラ、マルタン(またはアルー・ディアラ(MF・パリ・サンジェルマン)など)が前線の選手への橋渡しがうまく出来るようになれば、若しくはシステムを4-4-2の中盤ひし形に変えてトップ下にもパサーを置くようにすれば、もう少し中央からの攻撃もスムーズに行くのかもしれませんね。

次回は10月7日(金)にアルバニア、10月11日(火)にボスニア・ヘルツェゴビナとEURO2012本選出場をかけた戦いをすることになります。
プレーオフにもつれ込むことなく(プレーオフには苦い思い出もあるし…)、1位通過で予選を突破して欲しいですね。
[PR]
☆ アルバニア×フランス 1−2

前11分:ベンゼマ(FW・フランス、レアル・マドリッド)
前18分:エムビラ(MF・フランス、スタッドドレンヌ)
後1分:ボグダニ(FW・アルバニア、チェゼーナ)

この試合では、ブランはバックラインを大幅に変更。右からレベイエール(オリンピック・リヨン)、カブール(トットナム・ホットスパー)、アビダル(バルセロナ)、エブラ(マンチェスター・ユナイテッド)と、サーニャ(アーセナル)とラミ(バレンシア)を外した試験的とも取れるDF陣で臨んだ。中盤の底にはエムビラとアルー・ディアラ(オリンピック・マルセイユ)。2列目は右からマルーダ(チェルシー)、ナスリ(マンチェスター・シティ)、リベリ(バイエルン・ミュンヘン)、トップはベンゼマ。

c0040315_1932451.jpg


マルーダは、自由に動く若者たちのカバーできないスペースを埋める程度の役割がちょうどいい。
彼らの攻撃にほんの少し触れる程度のサポートでよいと思われるのだが、アルー・ディアラ、エムビラが思いのほかアルバニアに凌駕され、中盤を支配できずにいたため、マルーダはサイドを走り回るという思わぬ苦役を強いられた。中盤で囲い込めなかったアルバニア勢が、おぼつかないレブルーのバックラインにそのまま流れ込んだため、何度もピンチを招いた。

c0040315_19325063.jpg


アルバニアは怖いほど狡猾で、レブルーを研究していた。ガタガタのバックラインが、スペースをタイトにするためにラインを押し上げればその裏を突き、怖がって引きこもれば、前線に網を引いてナスリを罠にかけた。アルー・ディアラがボールをキープできず、供給先のナスリも封じられた。

c0040315_19363164.jpg


アルバニアの戦術は一貫していた。布陣を引いてフランスをおびき寄せ、自陣で徹底的につぶす。フランスが疲弊した頃に、裏を突いて速攻でカウンターを仕掛ける。アルバニアに当たり負けしたナスリとアルー・ディアラは、思うようなプレーができていなかった。そのため、フランスの攻め手はもっぱらサイドとなり、右はレベイエール、左はリベリのサイドアタックが頼みの綱だった。

c0040315_1940447.jpg


最前線のベンゼマは、アルバニアの厳しいプレスにさらされることが少なかったため、網にかかる仲間を助けに自由に動いてフォローに回っていた。後半に入ると前線にボールが巡ってくる時間が格段に少なくなったため、身体がキレていたベンゼマの見せ場が少なくなってしまったところは口惜しくもある。

c0040315_1935252.jpg


レブルーの前半の2点は、前線が一瞬機能した時に奪ったゴールであったため、残りの時間は、もろいDFを突かれたところを凌ぐ、という苦しい戦いぶりであった。

攻撃にしろ守備にしろ、不調の原因は中盤の底にあるように思われた。
守備に関しては、相手の攻撃を摘み切れず、攻撃については、相手のフィジカルに当たり負けしてしまった結果、ボールをキープし、前線に送るという作業が効率的になされていなかった。中盤の底のエムビラとアルー・ディアラは、双方共に攻守を半分ずつ担当するピボーテと理解しているが、二人の連携が未だ成熟していないため、そのバランスがあまり良くはなかった。

アルー・ディアラがフォローを要求しているときに前のスペース目掛けて走りこむなど、意図に沿わない動きをするエムビラに、アルー・ディアラはやや苛立ちを覚えているようにみえた。この日のエムビラは単体としては自分の持ち味であるボールの奪取、スペースへのタイミングよい飛び出しをこなし悪くなかったが、アルー・ディアラとセットで考えるとあまり良くはなかった。しかし客観的には、アルー・ディアラがボールをキープできない、当たり負けしてた等、一人で中盤の不出来を背負わされているのかもしれない。

c0040315_1935488.jpg


では、次のルーマニア戦はどうすべきか。
まず、中盤の底の2人の組み合わせと役割を再度検討すべきだろう。バックラインが不慣れな今のレブルーにおいては、中盤の底には、今回のように二人とも攻撃と守備をするのではなく、攻撃と守備を完全分業にし、バックラインの負担を減らすことが必要と思われる。そのためには、アルー・ディアラかエムビラのいずれかを外し、守備的素養の高いマテュイディ(パリ・サンジェルマン)を置くのが妥当であろう。
さらに、バックラインの組み合わせもあわせて検討すべきである。私見では、レベイエール(サーニャでも可)、ラミ、カブール、アビダルの4人が安定すると考える。
前線に関しては、このままでも問題ないと思われるが、右にメネズ(パリ・サンジェルマン)を入れることにより前線をより流動的にすることも有効であろう。
明日のルーマニア戦は、内容の伴った勝利を期待する。
[PR]
☆ ウクライナ × フランス 1−4

後8分:Timochtchouk(ウクライナ)
後13分:ガメイロ(FW・フランス、ロリアン)
後42分:マルタン(MF・フランス、ソショー)
後44分:カブール(DF・フランス、トットナム・ホットスパー)
後47分:マルタン(MF・フランス、ソショー)

レブルースタメン
GK:マンダンダ(オリンピック・マルセイユ)
DF:レベイエール(オリンピック・リヨン)
   サコー(パリ・サンジェルマン)
   カブール(トットナム・ホットスパー)
   エブラ(マンチェスター・ユナイテッド)
MF:エムビラ(スタッド・レンヌ)
   マトゥイディ(サンテティエンヌ)
   キャバイェ(リール・メトロポール)
FW:メネズ(ASローマ)
   ガメイロ(ロリアン)
   レミ(オリンピック・マルセイユ)


4-2-1-3で臨んだレブルーは、ラインコントロールが上手くいかない上、前線の3人が前がかりになったため、布陣が間延びして中盤を形成できなかった。ちょうどシステムの「1」に当たるキャバイェを境に前と後ろが分断され、チームとして機能してはいなかった。
c0040315_19224425.jpg
                              キャバイェ

おそらくブランは、キャバイェをコンダクターとすべく、中盤の底の組み合わせをマトゥイディ−エムビラという、比較的守備的な選手を配置したのだろう。しかし、最終ラインのセンターがサコー−カブールという(おそらく)初顔合わせのコンビの押し上げが足らず、中盤の底から前にボールを運ぶのに苦慮していたように見えた。やっとキャバイェまでボールが来ても、今度はキャバイェから前のガメイロ、レミ、メネズまでの距離がまた遠かった。メネズはともかく、ガメイロ、レミは、ゴールにより近い場所を好むように見えるため、なかなかキャバイェの望むエリアまで下がることが出来ずにいた。

また、キャバイェと前線の間には、黄色いウクライナのDF陣が抜け目なくスペースを埋めていたのも、キャバイェを苦しめた原因のひとつだったであろう。リールを欧州の舞台へ導いた若き司令塔も、ナショナルチームではもどかしいプレーに終始していた。
これはシステムを4-2-3-1と前線のサイドの2人を1列下げるか、中盤の底に一人ビルトアップ出来る選手を配置すれば解決するように思われた。キャバイェのより近くに選手を配置することで前と後ろの連携をスムーズに出来きそうに見えたのだ。

この日のスタメンは今まで控えに回っていた選手を中心に構成されていたが、前半の不出来はスタメンの選手の能力を否定することにはならない。この不出来は、彼らの能力が普段のスタメンの選手に劣っているのではなく、各選手の素養に沿った配置がなされていないことと、経験不足が原因と思われるからである。

こうして前半は、両者無得点のまま終えた。

後半、ブランは選手を変えずに、選手への指示だけで前半の不出来を修正しようとしていた。
相変わらずラインコントロールはおぼつかないが、中盤の底のエムビラがキャバイェとの距離を埋めようと奮起していた。またガメイロ、メネズも下がってボールを受けに行くようになっていた。
そのため、レブルーの中盤はワンタッチでボールを速くまわすことで相手の守備を崩すことが出来るようになった。前半は、ボールを選手に近づける受動的なプレーであったため、単調なロングボールの放り込みが繰り返されていたが、後半は選手がボールに積極的に近づき、能動的なプレーが見られた。

後半8分、マークのずれとラインの乱れを突かれ、ウクライナに先制されるも、その5分後にPA内外でボールを受けたガメイロがとっさの判断で足を振りぬき、見事なミドルシュート決めて追いつく。
c0040315_19232084.jpg

                       ガメイロ

その後、ガメイロ、レミ、メネズに換えて、ベンゼマ(FW・レアル・マドリード)、マルーダ(MF・チェルシー)、リベリ(FW・バイエルン・ミュンヘン)が投入されると、スペースを好むベンゼマ、リベリの奔走により、レブルーの前線は活発になり、チャンスも多く生まれた。自由に動くベンゼマ、リベリの足りない箇所を補うようにプレーするマルーダ。この3人の相互補完がゲームを作っていた。

その後、キャバイェ、サコー、マトゥイディに換え、マルタン(MF・ソショー)、アビダル(DF・バルセロナ)、ディアビ(MF・アーセナル)を投入。まだ体力の有り余る交代選手たちが、疲弊したウクライナを散らしていた。
マルタンは彼にしか見えない軌道を見つけ、ウクライナゴールにロングシュートを突き刺すと、コーナーキックからカブールが繊細なヘディングでゴールを奪う。

c0040315_19235783.jpg

                 マルタン

後半ロスタイムにはリベリのキープからベンゼマが持ち込み、DFを2人ほど引き付けてから、「警備」の手薄になった左のマルタンにラストパスをプレゼント、マルタンが冷静にゴールに流し込んだ。

c0040315_19242480.jpg



こうしてレブルーは、1-4でウクライナを下した。
ラインコントロールや中盤と前線のバランスについては、選手起用も含めて検討の余地はあるだろうが、改めて選手層の厚さと個々の能力の高さを思い知らされた試合であったように思う。ファンの贔屓目は大いにあるが。

次のポーランド戦は、ベラルーシ戦、ウクライナ戦の経験からブランがどのような布陣で望むのか、非常に期待できるものになるだろう。
[PR]
2月9日に行われたブラジルとの親善試合においてレブルーが見せたパフォーマンスは、 それまでぼんやりとしか見えなかった復調の兆しを、誰の目にも明らかなほどに鮮やかに映してみせた。暗く長いトンネルの向こうからかすかに見える光を目指し、時にぬかるみに足を取られ、時に疲弊して、這いつくばりながらも、レブルーはその歩みを止めることはなかった。 ぬかるみにはまり、頭まで沈み、もはやこれまでかと思われたときに、瀕死のレブルーに手を差し伸べ、トンネルの出口まで導いたのが、98年W杯、2000年EUROの「スーパーダブル」の経験者であるローラン・ブランである。
ブランは、レブルーのポテンシャルを理解していた。彼らは勝てないのではない、勝てるような環境を与えられていなかっただけだった。高級食材が持ち味を殺されて、無造作に皿に盛られただけだった。

そうして迎えたEURO2012の予選、親善試合では、ナスリ(MF・アーセナル)、リベリ(MF・バイエルン・ミュンヘン)、グルキュフ(MF・オリンピック・リヨン)、メネズ(FW・ASローマ)という前線のタレントをどのように使いこなすかが課題となった。
EURO2012予選の対ルクセンブルク戦では、2月のブラジル戦で活躍したメネズを外し、守備的MFの位置にグルキュフ、2列目に右からリベリ、ナスリ、マルーダ(MF・チェルシー)を配置するという、奇抜なアイデアに出た。結果として試合は0-2でレブルーが勝利したものの、内容は必ずしもスコアに見合ったものではなかった。ブランはおそらく、シャビ・アロンソ(MF・スペイン代表、レアル・マドリッド)のように中盤の底から司令塔として働くグルキュフを期待していたのであろうが、前線に比してプレッシャーの厳しい中盤の底は、グルキュフには少々荷が重いように思えた。勝手がわかってなかった、というのもあったのだろう。激しいプレスを受けながらもボールをキープし続ける技術は、2列目の選手には一朝一夕に身につくものではないことが伺えた。

その後のクロアチアとの親善試合では、中盤の底にアルー・ディアラ(MF・ジロンダン・ボルドー)、マテュイディ(MF・サンテティエンヌ)という「専任」を置き、前線は右からメネズ、ナスリ、マルーダとルクセンブルク戦とは打って変わって妥当な布陣で臨んだ。結果は0-0とスコアレスドローに終わった。試合の内容も、相手が守備的であったとはいえ、可もなく不可もないといったところだった。中盤から前線への繋ぎがうまく行かず、かといってサイド・アタックを仕掛ける場面も少なかった。

この2試合で試した奇抜な布陣と妥当な布陣、すなわち、ルクセンブルク戦で採用しためぼしい前線の選手を無理やり全て使う布陣とクロアチア戦で採用した適材適所に各ポジションに専任を置く布陣のいずれがベストかについては、スコアだけを見れば前者の方が上手く機能したようにみえるが、試合内容としては、いずれが優れているとは言えないように思われた。個人的には、グルキュフは2列目で使うべきであり、慣れないポジションを強いるべきではないように思われたため、後者のクロアチア戦の布陣を踏襲してチームを練成していった方が良いのではないかと思われる。この場合、ナスリとグルキュフは同時起用ではなく択一的起用になってしまうが、それは彼らのコンディションや相手のスタイルに合わせて、いずれを起用するかを模索してゆけばよいだろう。
1人の選手に頼った布陣が危機管理として好ましくないことは、2002年W杯を見ていれば明らかである。ジダンの負傷により自滅した教訓は、新しい世代のレブルーの土台を作っている今こそ活かさなくてはならない。択一的起用になるのは右サイドにおけるメネズとリベリ、左サイドのマルーダとリベリも同様であろう。誰が出ても同じクオリティを保つことは、チームが恒久的な強さを身に付けるために必須である。選手層の厚いレブルーであれば、相手に合わせて柔軟に布陣やメンバーを換え、その時々の最適なチームで臨むことが、むしろ豊富な人材を無駄なく使うことにも繋がるだろう。
次の試合はシーズン終了後の6月のEURO予選になるが、試合を積み重ねていくごとに、チームの形が出来上がっていくことを期待したい。
[PR]