<   2012年 06月 ( 2 )   > この月の画像一覧

☆ ウクライナ×フランス   0-2

後8分:メネズ(FW・フランス、パリ・サンジェルマン)
後11分:キャバイェ(MF・フランス、ニューキャッスル)

得点シーン以外はそれほど見所の無い試合だった。
この日のシステムは4-2-3-1で、DFラインは左サイドバックをエブラ(DF・マンチェスター・ユナイテッド)に替えてクリシー(DF・マンチェスター・シティ)以外の変更はなく、中盤の底にキャバイェ、アルー・ディアラ(MF・オリンピック・マルセイユ)、2列目に右からメネズ、ナスリ(MF・マンチェスター・シティ)、リベリ(MF・バイエルン・ミュンヘン)、1トップにベンゼマ(FW・レアル・マドリッド)という布陣だったが、リベリ、メネズの攻め上がりの甲斐なく、前半はゴールを得られなかった。課題の守備については、アルー・ディアラが相手の攻撃の芽をよく摘み、両サイドのクリシー、ドビュッシーもケアに回っていたため、従前に比して安定していたように見えた。

攻撃については、パスが繋がらない、簡単なシュートを外すなど、未だ連携の悪さを見せた。その要因は、ベンゼマの不調に思われた。ベンゼマはメネズ、キャバイェのゴールをアシストしたため、データ上は役目を果たしたように見えるが、それ以外の時間帯は、ナスリ、リベリ、メネズから出るパスを受けられるポジショニングが出来ず、また自らのパスにも迷いがあるように見受けられた。ベンゼマは、とことんハートが弱いのだろうか。まるで相手DFにカットされるのを恐れるが如く、パス出しが慎重になり、それが前線の停滞を生んだように見えた。
前線の流動性を得るためには、ベンゼマのゲームメークが必要になる。テストマッチでは、トップ下のナスリとスペースを分け合いながら華麗にパスを交換し合う姿に安堵していたが、今のベンゼマはそうも行かないようだ。思い切ってベンゼマをトップ下にする、もしくは覚悟を決めてベンゼマを外し、トップ下のナスリを維持し、ジルー(FW・モンペリエ)をトップに持ってくるという方法もある。
今やチームの顔となったベンゼマを外す事は考えにくいので、スウェーデン戦ではベンゼマの覚醒に期待したい。

途中交代で入ったマルタン(MF・ソショー)、エムビラ(MF・スタッドドレンヌ)ジルー、については、マルタンは出来ればキャバイェと併用して欲しかった。彼らは似た素養を持つ選手であるが、スペインのチャビ(MF・バルセロナ)、シャビ・アロンソ(MF・レアル・マドリッド)とタイプは違えど、相乗効果を生む組み合わせではないかと思っている。
またエムビラについては、この試合のアルー・ディアラの貢献度を考えると、彼からスタメンを奪うに等しいとは言いがたい。エムビラは元々守備専門のピボーテではない上に、ここ1年ほどのレブルーの試合では、それほどの成果を上げていないからだ。
ジルーについては、リベリ、ドビュッシーのラストパスを受ける機会もあったが、それほど見せ場を作る事は出来なかった。しかし、親善試合でのリベリやドビュッシーとの相性の良さを鑑みると、もう少し出場時間が長ければ、結果を出す事も可能であろう。
グループリーグ突破のかかったスウェーデン戦では、後が無いため、勝ちにこだわる試合でも認容する。しかしながら、ベンゼマの覚醒による、華麗な前線のパスワークが見られる事はわずかに期待したい。
[PR]
☆フランス×イングランド 1-1

前30分:レスコット(DF・イングランド、マンチェスター・シティ)
前39分:ナスリ(MF・フランス、マンチェスター・シティ)

重すぎる期待を背負い、ブラン体制の本選初陣は、かなりシリアスなものとなった。初めてに等しい大舞台で若い選手たちの足は、ぬかるみにでもはまったかのように動かなかった。

足りなかったものはたくさんある。右サイドバックのドビュッシー(DF・リール・メトロポール)のクロスに反応できるタイプの選手がいない、キャバイェ(MF・ニューキャッスル)のパスは、ラインの押し上げのない間延びした中盤を空しく通り抜ける。今回のイングランドのように、苦しいくらいに守りを固めてくる相手には、4-3-3ではなく、4-2-3-1で臨むべきであったのではないかと思われる。
この試合では、どこかのタイミングでシステムを変更する方が無難であっただろう。4-2-3-1にすることにより、ドビュッシーのクロスに反応できるトップが出来、トップ下の選手が中盤を埋めることにより、比較的コンパクトな布陣をキープできただろう。ブランが4-3-3を選択した理由は理解する。おそらく、頼りないDFを補完すべく、アンカーを置きたかったのだろう。しかし、ほとんど攻めてこないイングランドに対しては、それはあまり意味をなさなかったように思われる。具体的には、中盤のピボーテのマルーダ(MF・チェルシー)を外し、ベンゼマ(FW・レアル・マドリッド)をトップ下に下げ、ジルー(FW・モンペリエ)を1トップに据えるのが妥当と思われる。
しかしながら、4-3-3でもやりようはあったと思われる。実際テストマッチでは、守りを固めてくる相手に対し、トリデンテの流動性で崩して成功する例もあった。つまり、敵は内にあったのだろう。本選のプレッシャーに負けたのだ。

次の試合のウクライナはバランスの取れた良いチームと理解している。緒戦で祖国を勝利に導いたシェフチェンコ(FW・ディナモ・キエフ)のケアは必要だが、ゴールを奪うためには4-2-3-1で臨む方が良いように思われる。4-3-3で役割が不明確になったマルーダが余り、攻撃の手数が減る状態は避けたいからだ。4-3-3というのは、例えばスペインやドイツのように強力なアタッカーのいるチームに有効なシステムなのであろう。
開催国、そして英雄の活躍により、追い風を受けるウクライナを相手に、厳しい立場に立たされているフランスであるが、本来の魅力的なサッカーを見せてくれることを期待したい。
[PR]