W杯:予選リーググループD ポルトガル×イラン(06/6/17)

☆ ポルトガル×イラン   2-0

後18分:デコ(MF・ポルトガル代表、バルセロナ)
後35分:クリスティアーノ・ロナウド(MF・ポルトガル代表、マンチェスター・ユナイテッド)

この試合には、ベッケンバウアー(DF・元ドイツ代表、現W杯ドイツ大会組織委員長)も見に来ており、注目度の高さが伺えた。

キャプテン・フィーゴ(MF・ポルトガル代表、インテル・ミラノ)は、ペルシャ絨毯のようなものをもらっていた。
この日のポルトガルのスタメンは、中盤の底にマニシェ(MF・チェルシー)、コスティーニャ(MF・FC.ポルト)が入り、トップ下にデコ(MF・バルセロナ)。
黄金の三角形が構成されていた。
対するイランも、エース・ダエイ(FW・サバ・バッテリー)こそいないものの、トップ下にカリミ(MF・バイエルン・ミュンヘン)、右サイドにはマハダビキア(MF・ハンブルガーSV)と、こちらも役者は揃っていた。

この日もキレていたフィーゴは、ドリブルで相手陣内を切り裂く。
イランDFは体当たりをする以外に彼を止める方法はなかったようだ。
フィーゴとクリスティアーノ・ロナウドは、サイドチェンジを繰り返しながら、相手のボディブローをすり抜けていた。

前節アンゴラ戦では、満足なプレーが出来なかったクリスティアーノ・ロナウドは、結果にこだわるあまり、無理矢理自分だけで持ち込み、中央でフリーだったコスティーニャの得点機を逃していた。
クラブのチームメイト・ルーニー(FW・イングランド代表)と仲が悪いというのも、わかる気がした。

ポルトガルは、中盤を押し上げ、前線をコンパクトに保っていた。
中央からサイド、サイドから中央と、速いパスでボールを散らしながら、相手ゴールを目指していた。

対するイランは、身体を張って、相手を追い、ボールを奪いにいっていた。
ボールを奪うと、ポルトガルのバイタルエリア(ボランチとDFの間のスペース)を突いていった。
技術では相手が数段上であることを承知してか、攻撃の組み立てよりもセットプレーからのゴールを狙っているようだった。
実際、キックの精度も高く、ゴール前のポジション取りも上手い。
ポルトガルは、何度も危ない場面に出くわしていた。

個人的に、フィジカル勝負のセットプレー頼みのチームは好きではない。
しかし、イランの場合は、自らを知り、相手を知った上で、勝つための裁量の選択をしているように見えたので、とても好感が持てた。
何よりも、プレーの一つ一つに、今できることの最大限の力を注いでいる姿に、心打たれた。

また、戦術的にも、イランは巧妙だった。
デコの不在が響いたアンゴラ戦を研究していたのか、とにかくデコを潰しにかかっていた。
デコからパスが出なければ、後ろのマニシェは攻撃参加できず、前線だけの薄い攻撃になる。
ポルトガルは、首根っこを掴まれているように見えた。

しかしポルトガルは、イランの弱点と思われたサイドを突き、デコが得点を挙げた。
疲れの見え始めたイランは、徐々に突破を許し、フィーゴがPKを獲得。
フィーゴは、未だ吹っ切れないクリスティアーノ・ロナウドに蹴らせた。
クリスティアーノ・ロナウドは、見事にPKを決め、歓喜の雄たけびを上げていた。
それまでの苦悩の表情がウソのように晴れやかになっていた。

フィーゴは、クリスティアーノ・ロナウドの苦悩をわかっていたのだろうか。
喜ぶクリスティアーノ・ロナウドに駆け寄り、彼の顔を両手で挟んで喜びを分かち合っていた。

試合はこのまま、2-0で終わり、ポルトガルは40年ぶりに決勝トーナメント進出を果たした。
勝負はまだまだこれからである。
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by kobo_natsu | 2006-06-18 14:24 | 試合観戦記