マドリー×エスパニョール(06/2/4)

久々に試合の模様について書いてみたいと思います。

☆ レアル・マドリッド VS エスパニョール   4-0

前13分:グティ(MF・スペイン代表、レアル・マドリッド)
前42分:ジダン(MF・フランス代表、レアル・マドリッド)
前46分:ロナウド(FW・ブラジル代表、レアル・マドリッド)
後6分:ジダン(MF・フランス代表、レアル・マドリッド)

スタメン

GK:カシーリャス(スペイン代表)
DF:シシーニョ(ブラジル代表)
ウッドゲート(イングランド代表)
メヒア(スペイン)
ロベルト・カルロス(ブラジル代表)
MF:グラベセン(デンマーク代表)
ベッカム(イングランド代表)
ジダン(フランス代表)
グティ(スペイン代表)
ロビーニョ(ブラジル代表)
ロナウド(ブラジル代表)

4-1-4-1

        グラベセン

  ベッカム          ジダン
 
     グティ      ロビーニョ
 
         ロナウド

こんな感じです。


4-1-4-1という最近の定番布陣で臨んだマドリーは、引き気味のエスパニョール相手にスペースを見いだせずにいた。
エスパニョールは、自陣に白い集団が入りきったのを見計らうかのように、マドリーの空いた裏のスペースを突いてきた。
マドリーが上がれば、「リトルブッダ」デ・ラ・ペーニャ(MF・スペイン代表)が槍のようなパスで縦を突く。
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このスペースを一人で守っていたのがグラベセン(右写真)だった。
マドリーは、トミー(グラベセン)がボールを奪ったところを起点に攻撃を展開していたため、マドリーの出来はグラベセンの出来にかかっているように見えた。










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そのため、この試合はブッダ(デ・ラ・ペーニャ・左写真)と海坊主(トミー)の直接対決がその行方を握っているように思えた。

デラペーニャは、トップ下で威力を発揮する選手と理解しているが、プレスをかけるのも巧かった。
二人の競り合いは、美しくもアグレッシブで、非常に見応えがあった。

スペースを消しにかかったエスパニョールに対しても、マドリーは落ち着いてボールをキープしていた。
ワンタッチでボールを回しつつも、無理に攻め入らず、ボールを上げ下げしながら相手の呼吸を読んでいた。

トミーは持ち前の状況判断の速さから、リズムよく左右中央に配球していた。
右のシシーニョ、左のロビーニョ、中央のグティは、積極的に相手の虚を付き、トミーに対してボールを要求した。
彼ら3人からさらにパスを要求していたのがジダン、ロナウド、ロベルト・カルロス、ベッカムだった。
パスが回せない場合には、トミーやロビーニョがドリブルで打開する場面もみられた。

冴えなかった以前と比べて大きく違うのは、役割分担の徹底と運動量、そして選手間の連携だった。
1人がボールを持てば、布陣全体が連動する。
強かった昔のマドリーには、よく見られたシーンだった。

難を言えば、ベッカムがシシーニョの動きに付いていけていないところだろうか。
また、トラップが不得手でパスを受けてからボールを離すまでが遅いベッカムは、リズムを滞らせていた。
やはり、ベッカムにはショートパスを回すスペインスタイルのサッカーは合わないように見えた。

逆に、パスを受けてからボールを離すまでが異常に速いのがジダンであった。
体力もスピードもなく、相方・ロビーニョに迷惑をかけることもあったが、この部分の「速さ」でカバーし、リズムを保っているように見えた。

クロス一本、ロナウド頼みの単調なサッカーから、ポゼッション高めのパスサッカーへと蘇生したマドリーは、前半だけで3点を奪った。
グティの飛び込み、久々のロベカル-ジダンライン、珍しいロナウドのヘディングと、そのどれもが貴重なシーンだった。

後半、マドリーはトミーに替えてパブロ・ガルシアを投入した。これは、妥当な交替であるように思えた。
なぜなら、トミーはあの広大なスペースを一人で守り、さらに攻撃の起点となるパスを出していた。トミーは攻守の切替役を立派にこなし、それはそのままマドリー全体の攻守のバランスを保っていたが、それは余りに過大な負担に思えたからだ。
いくらトミーのフィジカルが強いとはいえ、最後までは持たなかったであろう。
そして兄貴(パブロ・ガルシア)も、前半のトミーの役割を見事にこなしているように見えた。

この試合は、結局4点を奪ったマドリーが勝利した。
個人的に、4つのゴールの中で一番印象に残ったのは、ジダンの4点目だった。
シシーニョが右サイドの突破から、中央のジダンにグラウンダーのボールを送る。
ジダンはそれを右足で軽く浮かせ、左足で浮き球をミドルレンジから蹴りこんだ。
アイデアとボールコントロール、ボディバランスと、ジダンの良さが凝縮されたゴールであるように思えた。

蘇りつつあるマドリーにあえてクレームをつけるとしたら、トミーと兄貴の負担が過大となってしまうところであろうか。
ウッドゲイト、メヒアのラインは比較的安定していたし、彼らと中盤の底との連携は悪くなかったが、このままでは、トミーや兄貴の個人技に頼りきりとなり、磐石とはいえない。
このままでは、デル・ボスケ時代のマケレレと同じで、あの頃の宿題は残されたままとなっているのだ。
マドリーが再び強くなるためには、個人の力に頼るサッカーを止めにしなくてはならないと思われる。
難しいことではあるが、遅くとも着実な歩みを期待している。
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by kobo_natsu | 2006-02-05 19:34 | 試合観戦記