かつてのライバルにエールを

今年、東京ヴェルディ1969がJ2に降格した。
実に、Jリーグが開幕して以来、初の悲劇だった。
そして、昨日。
ヴェルディのOBであるラモス瑠偉(MF・元日本代表)が監督に就任した。
ラモスは言った。
「1年でJ1に昇格させる。」と。
私が横浜マリノスを応援していた10年以上前、ヴェルディが2部落ちするなど、誰が想像しただろうか。

ヴェルディとマリノスは、宿命のライバルだ。
Jリーグが開幕する以前の日本リーグ時代、ヴェルディとマリノスはブラジルとイタリアに例えられていた。
華麗な個人技でゴールに迫るヴェルディと、堅い守りのマリノス。
結果は大概、1-0でマリノスが勝利していた。

しかし、Jリーグが開幕すると、マリノスは攻撃的な選手を補強し、プレースタイルを変じた。
速攻速守の組織サッカー。欧州から遅れること5年あまり、ようやく日本にもプレッシングサッカーが入り始めた頃だった。
その頃のヴェルディとマリノスは、ブラジルとアルゼンチンに例えられていた。

Jリーグ開幕直前に絶頂期を迎えたことに加え、守備の要の柱谷哲二(DF・元日本代表)をライバルであるヴェルディに奪われたこともあり、マリノスはマンネリズムの悪循環スパイラルに陥っていた。
かつてのような栄光も華も失い、マリノスは瀕死状態だった。
それでも、95年の1stステージ、ホルへ・ソラーリ監督の突然の辞任というアクシデントを耐え抜き、早野宏史監督の下、マリノスは見事リーグ優勝をなしえた。

対するヴェルディは、ラモスや三浦カズ(FW・元日本代表、横浜FC)、北沢豪(MF・元日本代表)などのスター選手を要し、人気実力共にNo.1の地位を確立していた。
95年の2ndステージ、リーグを制したのはヴェルディだった。
95年の年間チャンピオンを決める戦いは、伝統のマリノス VS ヴェルディ戦となった。

大方の予想では、ヴェルディが優勝するものと思われていた。
当時のヴェルディはそれほどの勢いと実力があったからだ。
ヴェルディの選手に対するインタビューからは、そのような自負すらうかがえた。
対するマリノスの選手達は、日ごろと同じく、地味で謙虚な受け答えに終始していた。
華やかなスター選手揃いのヴェルディに、サッカー好きの兄ちゃん達の集まりだったマリノス。
両チームはプレースタイルから、選手のキャラクターにいたるまで、相違していた。

しかし、結果はマリノスの勝利。
マリノスは悲願の年間チャンピオンに輝いた。
マリノスファンだった私は、最高に良い気分だった。
当時の私は、マリノスを卑下し、ヴェルディばかりを持ち上げるメディアが大嫌いだったからだ。

しかし、10年後。
まさかのヴェルディ降格。
たとえ憎きライバルといえども、降格はショックである。
ライバルとは、お互いせめぎ合い、高め合っていくもの。
ライバルが2部に落ちてしまっては、張り合いがない。
たとえ、どんなにアントラーズやジュビロが素晴らしいチームであったとしても、マリノスのライバルは、ヴェルディ以外にありえない。
あの、緑のユニフォームを見ると、反射的に対抗意識を持つのだ。

だから、できるだけ早く帰ってきて欲しい。
おそらく、ヴェルディを応援しようという気持ちになったのは、初めてだ。
来シーズンは、ヴェルディの活躍と復興を願ってやまない。
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by kobo_natsu | 2005-12-26 21:37 | チーム