リヨン×マドリー(05/9/13:チャンピオンズリーグ グループリーグ第1節)

リヨン

GK:クーペ(フランス代表)
DF:レベイレール(フランス代表)
クリス(ブラジル代表)
カサッバ(ブラジル代表)
ベルト(U-21フランス代表)
MF:ディアッラ(マリ代表)
チアゴ(ポルトガル代表)
→ ペドレッティ(フランス代表)
ジュニーニョ(ブラジル代表)
FW:マルーダ(フランス代表)
ヴィルトール(フランス代表)
→ シドニー・ゴブ(フランス代表)
カリュウ(ノルウェー代表)
→ フレッジ(ブラジル代表)


マドリー

GK:カシーリャス(スペイン代表)
DF:サルガド(スペイン代表)
エルゲラ(スペイン代表)
セルヒオ・ラモス(スペイン代表)
ロベルト・カルロス(ブラジル代表)
MF:パブロ・ガルシア(ウルグアイ代表)
ベッカム(イングランド代表)
グラベセン(デンマーク代表)
→ グティ(スペイン代表)
バティスタ(ブラジル代表)
FW:ロビーニョ(ブラジル代表)
ラウール(スペイン代表)

リヨンは4-3-3、マドリーは4-4-2の中盤菱形。
配置は、ピボーテにパブロ・ガルシア、右にベッカム、左にグラベセン、トップ下にバティスタとなった。
しかし、グラベセンは必要に応じて下がってプレスをかけていたため、ややドプレピボーテ気味であった。
マドリーはグラベセン-パブロ・ガルシアにより、安定した守備をみせ、サルガド、ロベルト・カルロスも、サイドのマルーダ、ヴィルトールをきちんと抑えていた。
セルタ戦の敗因と思われる手薄だったサイドは修正されていた。

サイドを封じられたリヨンは、ジュニーニョのパスや突破を中心として、マドリーを脅かしていた。
対するマドリーもジュニーニョやディアッラ、チアゴといった中盤の3ピボーテとの争いから攻撃を展開したため、両者は中央で競ぎ合いをする形となった。
そのため、両者は互いにファウルによるFKを除いては、相手に決定的なチャンスを与える事無く、緊張感のある試合が続いた。

マドリーは、ボールを奪うと、すぐにロビーニョに渡され、ロビーニョは、得意のドリブルで突破を図るが、同郷のリヨンのキャプテン・カサッパの優れた読みに封じられる事が多かった。
マルーダ封じに忙殺されたサルガドは、ロビーニョをフォローできず、ラウールは密着マークされているように見えた。
ベッカムは、ロビーニョを的確にフォローできず、バティスタはセレソンの呼吸によりロビーニョと鮮やかなワンツーを見せるも、意味をなさなかった。
それはあたかも、美しいだけの調度品に見えた。
華やかだが効果的でないのだ。

均衡が破れたのは前半21分。
ゴール正面やや左、PA約10m手前付近でFKを得たリヨンは、ジュニーニョのキックにカリュウの頭をかすめて先制した。

これで勢いに乗ったリヨンを止めようと、マドリーのプレスは荒くなる。
再びPA付近でFKを得たリヨンは、今度は直接ジュニーニョに決められてしまう。
低い弾道で弓なりに弧を描いたボールが、ゴールを突き刺したのは前半26分。

これによりマドリーは、反則を恐れてプレスを緩めてしまう。
そうして右サイドをヴィルトール、レベイレールとのコンビにより突破され、最後はレベイレールがゴールライン際からあげたマイナスのクロスからヴィルトールにあっさり決められてしまう。
前半31分。
これで3-0。

その後さらに、パブロ・ガルシアがジュニーニョに対して、カードを恐れて体を寄せられなかったため、サルガドがPAで彼を倒し、PKを与えてしまう。
しかし、これはカシーリャスが止めて難を逃れた。

その後、マドリーがリヨンにボールを持たされる時間帯が続き、前半を終える。

後半が始まっても、マドリーは効果的な攻撃が出来ないでいた。
マドリーがゴールを奪えない原因は、攻撃を組み立てる選手がいないことのように思えた。
バティスタもベッカムもボールの受け手に回ってしまうため、パスの出し手がいなかった。
それに気が付いたグラベセン、エルゲラは、後方から攻撃を組み立てるべく、意図を持ったボールを送っていたが、受けた選手が意図を解さず、もたついていたたため、チャンスを潰していた。

エルゲラは、身長が10cm近く高いカリュウ相手に一歩も譲らなかった。
1対1で抜かれることもなく、ラモスをよく導いていた。
ラモスについては無難にこなしたという印象が強く、パボンが決して彼に劣っているようには思えなかった。
DFは個人の能力よりも、周りの連携の成熟度により効果を発揮すると思われるため、むやみに人を変えない方がよいように思われた。

その後、ミスターは、パスの出しての不在に気づいたのか、グティを投入。
しかし、替えた相手には思わず首をかしげた。
グティに替えられたのはグラベセンだった。
本人もそう思ったのか、グラベセンにしては珍しく、不満そうな顔をしていた。
あくまで私見だが、替えるべきは、ベッカムであるように見えた。
バティスタは、ロビーニョとのコンビネーションに期待が持てたが、ベッカムは、長年ピボーテを強いられていたせいで、以前のようなポジショニングセンスが鈍っていたように見えたからだ。
その時のマドリーに必要なのは、攻撃的にすることではなく、パスの受け手を1枚削って、パスの出し手を入れることだと思ったのだ。
私はあまり、監督の采配にクレームを付けるのは好きではないのだが、今回だけは疑問に思った。

グティはパスや鋭い飛び出しにより奮闘したが、結果には結べなかった。しかし、彼が入ることにより、いくらか前線にボールが回るようになった。
この試合の収穫を1つ挙げるとしたら、ロビーニョとラウールのコンビネーションの良さであろう。ラウールは、ロビーニョのパスに反応し、何度も好機を作った。惜しくもゴールこそならなかったが、これからに期待の持てるプレーを見せてくれた。
しかしロビーニョは、攻撃がうまくいかないいらだちからか、ベルトとにらみ合う場面も見られた。

結局マドリーは、3-0で敗れた。
今日の主役、ジョルジーニョは、交換した白いユニフォームを振り回し喜びをあらわにしていた。
クーペはカシーリャスとユニフォームを交換していた。

リヨンとの最大の違いは、それぞれの役割分担の明確化であるように思えた。
リヨンはパスの出してと受け手の役割がちゃんと決まっており、受け手の中でも、ポジション取りが的確であった。そのため、プレーの1つ1つに意味が込められていた。
しかしマドリーは、個々の選手の特徴を考えずに選手を配置しているため、守備に関しては改善されても、攻撃に関しては個人技頼みとなった。
リヨンのような分厚い攻撃が展開が出来ないのだ。


ただ、ドプレピボーテの効果は、確かに出ていたように思えた。
この改善された守備を基盤として、これからは攻撃の組み立てと連携を成熟させていけば、マドリーの改革は進んでいくのではないかと思った。
スコアを見れば失望するかも知れない。
しかし、ゆっくりとだがマドリーは変わりつつあることが感じられた試合だった。
残念な結果だが、次に期待したいと思う。

jumpinさんレビュー
inoranさんのレビュー
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by kobo_natsu | 2005-09-14 10:45 | 試合観戦記