試合観戦記:カディス×マドリー(05/8/28)

いよいよリーガが開幕しました。
マドリーの開幕戦の相手のカディスは、今季から1部に昇格したチーム。
開幕直前にベティスからレンタル移籍してきた、ベンハミン(MF・元スペイン代表)がいます。
スタメンは、昨日のとおり。

序盤、カディスが攻め込むも、マドリーは落ち着いて対応する。
マドリーはトミーを中心として中盤でボールを回収していた。

菱形であるため、トミーがカバーしなければならないエリアは広範に及んでいたが、豊富な運動量と強靱な肉体を使ったアグレッシブなプレスで、最終ラインの仕事を易しいものにしていた。

トミーはエルゲラと常にポジショニングを確認しあい、ミスターの指示を受け、布陣のバランスをとっているように見えた。

バティスタは、ロベルト・カルロスの攻め上がりのためなのか、それとも自分がやりやすいからか、中央に寄ってプレーしていた。

ややホームのカディスに押され気味だったマドリーだが、中盤でボールを回せるようになると、いきなりチャンスを掴む。
ジダンの左からのやや長めのパスを受けたロナウドがDFを1人反転して交わし、シュート。
ボールをゴールに突き刺す。
この時カディスは、この怪物を、たとえ一時でもPAに入れてはいけないことを学んだであろう。
それほど鮮やかなゴールだった。
カメラがよく抜いていた、ベンチのロビーニョは、憧れの人のゴールの反転シーンを真似て、体を左右に振りながら、興奮気味で隣のデ・ラ・レッドと話していた。
その時、この期待の新人は、単なる一ファンと化していた。

この1部の厳しい洗礼におじ気付き、布陣を引いてくると思われたカディスだが、逆に、さらにラインをあげて攻め込んできた。
対するマドリーも、トミーとエルゲラ、パボンの連携により、守備が安定していたため、決定的な場面となることはなかったが、自陣でのプレーを余儀なくされていた。

ボールを奪い、前に出ようとすると、カディスが肉弾戦を挑んでくる。
肉弾戦に強いトミーやバティスタは、負けずにボールをキープするが、カディスの堅い守備にパスの出しどころを失う。
パスミスも多かったマドリーは、次第に消極的なバックパスが目立つようになる。

このような場合、突破力のある選手により、状況を打開することが妥当と思われた。
バティスタに、その役回りを買ってほしかったが、ジダンの「聖域」を害さないよう遠慮がちにプレーしていた彼にはそれは望めなかった。

何本ものCKを与えカディスの攻撃を凌いだマドリーは、前半を0-1で終えた。

後半、カディスはベンハミンを投入する。
豊富な運動量と確かな技術でカディスを導くベンハミンは、ベッカムにつぶされていた。カディスは、左サイドの選手から鮮やかな攻撃を展開し、マドリーの攻防もそこ(右サイド)が起点となることが多かった。

そして後半18分、カディスの猛攻が実り、CKからパボーニがゴール。
同点に追い付く。

そこでルシェンブルゴ監督が動いた。

ミスターは、トミーに替え、ロビーニョを投入。
ジダンとバティスタがそれぞれ1列下がり、3トップになった。
このとき、なぜミスターがロビーニョを欲しがったのかがわかった。
俊敏なロビーニョは、マドリーの選手を追い回し疲弊したカディスの選手にとっては厄介だった。
ロナウド、ジダンとのコンビネーションの良いロビーニョにより、ボールがよく回っていた。

そして後半40分。
ベッカムのロングパスを受けたロビーニョが走ってきたロナウドにボールを渡す。
ロナウドはドリブルでキーパーを抜き、左にいたラウールにパス。
ラウールがゴールに決めた。

これで1-2。
マドリーは逆転に成功する。
カピタンのゴールにより高揚したマドリーは、最終ラインのパボン、エルゲラもゴールを脅かした。特にエルゲラが反転してDFを交わし、打ったシュートは惜しくもバーを直撃したが、エルゲラがピボーテだった、輝かしいあの頃を思わせた。
しかし、後方からコーチングをしたり、最終ラインの統率をとる姿は、エルゲラが技術面と精神面の双方で、DF陣のリーダーに就任したことを印象づけた。
ピボーテだったエルゲラは、本職でないセンターバックで指揮官にまで昇り詰めたのだ。

全体に攻撃面についてはまだ眠った状態だったが、守備面が昨季に比して、飛躍的に安定しているように思えた。
「良い攻撃は、良い守備から」というのがサッカー界の最近のトレンドと思われるため、辛勝とはいえ、今季に期待できる内容に思えた。

菱形についての印象は、長くなるため、次の機会にしようと思うが、1つ感じたことがある。
あくまで私見だが、バティスタとジダンは自由に動かし、ポジションチェンジをさせた方が良いように見えた。
その場合ジダンのスタミナがネックとなるが、これから2人の関係がどう変化していくか、楽しみである。
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by kobo_natsu | 2005-08-29 10:07 | 試合観戦記