試合観戦記(05/5/28: サラゴサ戦)

遅くなりましたが、サラゴサ戦の試合の様子を一つ。

サラゴサは、スペイン北東部・アラゴン州のサラゴサという街のチーム。
今季は現在9位と、来季のヨーロッパの舞台をかけた争いもなく、また、降格の危機にもありません。
そして、既にチャンピオンズリーグ出場権を手に入れているマドリーも、何かを争うこともありません。
モチベーションを維持しにくい両者がどのような戦いを見せたのか。

スタメンは、右サイドにグティではなく、(MF・元スペイン代表)が入りました。
今シーズン限りで他チームへ移籍することが濃厚と言われているセラデスは、久々のスタメンです。


マドリーは開始早々、中盤でパスを回し、中央からの突破を図る。
しかし、サラゴサのチェック(守備)により、なかなかゴールに近付けない。

対するサラゴサは、サビオ(MF・元ブラジル代表)の足の速さを生かし、DFの裏を突くようにロングボールを送るなど、効率よくゴールに迫る。

また、マドリーは、意図の感じられないパスを回すばかりで、サラゴサの守備陣を崩すことが出来ないでいた。
他方のサラゴサは、巧みさは感じられずとも、マドリーが前掛かりになったのを見計らって守備陣の裏を突く、という戦術を徹底させていた。

いずれの攻撃が功を奏したのか。
それはデータ上からも明らかだった。
前半20分を過ぎたところでのシュート数はマドリーが0なのに対し、サラゴサは3だった。

本来なら、右サイドに入ったセラデスが中盤の底で攻撃を組み立て、周りの選手がそれに連動して攻撃を展開すべきなのだろう。
しかし、今日のセラデスは、ベッカムのように動くよう指示されたようで、サイド突破を図ることが多かった。
それにより、彼の持つ優れたパスセンスが生かせていないように見えた。

しかし、先制したのは、おとなしいマドリーの方だった。

トミーが右サイド付近でプレスをかけ、セラデスがボールを奪取し、ラウールにパス。
ラウールはワンタッチでボールを中央のジダンに出す。
ジダンは軽くドリブルし、ミドルレンジからシュート。キーパーが弾いて右にこぼれたところを、オーウェンが押し込んだ。
速いパス回しと相手の隙をつく、マドリーらしいプレーだった。

これで0-1。

1点を奪ったマドリーは、その後セラデスが中央に動き、ロナウドにセンスあふれるロビング(浮き玉)のラストパスを供給するなど、ゴールの匂いを感じさせるプレーはあったものの、相変わらずゴールに近付けずにいた。

対するサラゴサは、前半終了間際に鮮やかな速攻から同点に追い付く。

裏を突かれたうえに、抜け出した選手に左に釣られたマドリーDFは、ゴール中央をガラ空きにしていた。
そこへ走り込んだフリーのオスカル(MF・スペイン)がパスを受け、ゴールを決めた。
サラゴサの徹底した戦術が実ったのだ。

こうして前半は1-1で折り返した。

後半はオーウェンに替わり、フィーゴが投入された。
相変わらずサラゴサのチェックは厳しく、マドリーは1プレーをシュートで終わることが出来ない。

しかし、フィーゴの投入は、マドリーを良い方向へと導く。
フィーゴはドリブルによるサイドチェンジを図るべく、右から左へドリブルしようとしたときに、相手からバックチャージを受けた。
センターサークル付近でFKを得たフィーゴは、左にいたトミーにパス。トミーは斜め前方のジダンにロングフィード。ボールを受けたジダンは緩急をつけたドリブルで中へ切れ込む。ジダンがボールを持ち、瞬発力を見せた瞬間、ラウールとロベルト・カルロスはジダンを追い越し、ゴールへ向かって走り込む。
ジダンはラウールに浮き玉のパスを送り、ラウールはワンタッチで左前のロベカルにはたく。
そのボールを、ロベカルは鋭くゴールに突き刺した。

これで1-2。

フィーゴが右に入り、セラデスが中央後方に入ることにより、サイド、中央の攻撃が、前半に比べるとスムーズに運ぶようになる。
しかし、自陣深く引いて守るサラゴサを、崩すまでには至らなかった。

今シーズンを通じてマドリーに足りなかったもの――ボールを持つ選手を追い越してのスペースへの走り込み、攻めの人数の充実、速いパス回し――が改めて露呈していた。

その後、後半ロスタイムにフィーゴの絶妙のスルーパスからロナウドが決め、マドリーは1-3で今季最後の試合を終えた。

今季最後の試合も、スコアに対して物足りない内容となった。
しかし、今季限りでマドリーを去ることが噂されているフィーゴとセラデスは、改めてそのポテンシャルの高さを見せ付けてくれた。
来シーズン、マドリーで彼らのプレーが見られないと思うと、残念でならない。
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by kobo_natsu | 2005-06-01 08:18 | 試合観戦記