熱戦と好ましくない出来事(05/3/8)

今朝行なわれた、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント第1回戦、2ndレグチェルシーVSバルセロナの試合は、4-2で、チェルシーが勝利を治め、結果、スコアの合計が5-4となり、チェルシーが準々決勝進出となった。

この試合は、3点先制したチェルシーをバルサが追い掛け、1点差まで詰め寄ったが、最後はチェルシーの主将・テリー(DF・イングランド代表)が頭でゴールを決め、シビアな勝負師・モウリーニョの命を受けた刺客のように、冷酷にバルサを突き放した。

このように得点の経過だけをたどってみても、いかに見ている人を魅了した試合であったかが伺える。

しかし、この稀に見る熱戦は、美しくも切ないストーリーだけでなく、いくつかの好ましくない出来事をももたらし、過ぎ去った後に残った足跡を汚れたものにした。

まず1つ目は、試合後のモウリーニョのコメントとそれに対するエトーの反論。

モウリーニョは、「優れたチームが勝ったということ。バルセロナにはスペインリーグで優勝してもらいたい。私は今、幸せだ。なぜなら今、メディアが『世界一強い』と書くクラブに勝ったからだ」と話し、それに対してエトーは、「我々の方が内容が優れていたが、フットボールはゴールがすべて。来年もここに来て、次は必ず勝つ。もしチェルシーがCLに勝つなら、フットボールは笑い物になる。」と話した(夕刊フジより抜粋)。

このような、微塵の親近感の感じられないやりとりは、二人の持つ特質を考えれば、両者の個性が衝突したと仮定した場合に、誰もが容易に辿り着く結果ではある。

しかし、現在世界最高と言われる両雄の、稀に見る熱戦だったのであるから、もう少し互いの健闘を讃えあうような、爽やかなやりとりを見せて欲しかったと最初は思った。

しかし、記事を読み進めていくうちに、エトーがチェルシーに対してこのような言葉をなげかけた理由が少しだけわかったような気がした。

それは、2つ目の出来事だ。

試合の行なわれたチェルシーのスタジアムでは、有色人種であるエトーに対して、モンキー・チャント(ウッウッウッと、サルの泣き真似をしたブーイング。有色人種の選手を蔑視する意味合いを持つ)がなされたのだそうだ。

私はこの好ましくない出来事が起こった事を知ったとき、またか、と落胆した。

Jampinさんliga-barcaさんの記事に関連するが、スペインでは、試合中にモンキー・チャントがしばしば行なわれている。

そして、それに対する制裁が甘い事を書き立て、スペインに対する世界的評価を落としめる事に尽力しているのは、何をかくそう、チェルシーの本拠地・イギリスのメディアだ。

彼らは、今回のこの好ましくない出来事について、記事にするのだろうか。スペインをこき下ろしたように、口汚く。

もしも彼らがこの事について沈黙したなら、あのスペインでの好ましくない出来事についての記事は、ジャーナリストとしての正義感に出たのではなく、単にオリンピック招致のライバルを蹴落とすための、狡猾で汚い目論みに出たものなのだと、自ら証明することになるかもしれないだろう。

あの熱戦が、ロナウジーニョの宝石のようなプレーと伴に最後に残したものが、このような好ましくない出来事であったことが、誠に残念でならない。
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by kobo_natsu | 2005-03-09 18:50 | ニュース